文字彫り機を使った文字入れについて、写真を使ってていねいにご紹介します!手作り結婚指輪にもきれいに刻印・その日にお持ち帰りいただける刻印方法です。
機械彫り
こんにちはMITUBACI職人の新藤です。
MITUBACIの手作り結婚指輪・婚約指輪・シルバーのワークショップでは刻印を3種類ご用意しています。
ひとつめは、ご自分で打刻する「刻印」、ふたつめはオプションでお入れする「レーザー刻印」。
そしてもうひとつ「機械彫り」が選択できます。
今回はその中で「機械彫り」について紹介したいと思います。
MITUBACIでは、文字彫り機を使った文字入れを「機械彫り」と読んでいます。
これが文字彫り機です。
とても特徴的な形の機械でなかなか説明が難しいですが、今回も順番に説明していきたいと思います。
1.指輪を固定する
文字彫り機の正面上部の丸い箇所の真ん中にリングをセットします。
結婚指輪の場合は3個のプラスチックのパーツとねじのパーツ1箇所、合計4箇所でしっかり固定します。
婚約指輪など石が留まったリングをセットする時には一番上のねじのパーツで石座部分を固定して、残り3個のプラスチックのパーツで指輪を固定します。
そのように固定することでリング内側の円の中心を出して固定しています。
2.文字盤を選ぶ
写真は、真鍮でできた円形の板です。アルファベット、数字等が彫られていますね。
ハートや&など、もともとの文字盤に無い文字はオリジナルで制作しています。結婚指輪だと、ハートや&はよく使う文字です。
この真鍮でできた文字盤も機械にセットします。
本体奥にある三角のピンが文字盤の周りにある溝に入って固定されると、その固定されたところの文字を彫ることができます。
3.文字を彫る・1文字目
写真では「M」を彫ろうとしていますね。
スタイラス(先端が尖ったパーツ)を上から押さえて文字の溝に先端を入れて文字をなぞります。
その時に左側にあるレバーを下に倒すと文字を彫る先端部分がリングの内側にあたります。
金属の種類によって硬さが違うため、レバーに入れる力加減を考えなければなりません。
文字盤の文字は縦6mmほどありますが指輪に文字を彫る先端は同じ文字が小さく動いて彫れます。
右手:スタイラス(文字をなぞる)
左手:レバー(彫る強さを加減する)
目:リング内側を確認
3つの動作を同時に行うため、深さが均一な文字を彫るには熟練した技術が必要です。
文字を彫る先端部分はダイヤモンドでできています。
刻印は、刻印を金槌で指輪に直接打ちつけて文字を入れますが、文字彫り機はダイヤモンドの先端を指輪内側になぞることで文字を入れています。
4.文字を彫る・2文字目
◆先端写真④文字入れ 次の文字
一文字彫れた後はどうするのでしょう?
今度は先ほど文字を彫る時に下げていたレバーを上にいっぱいまで上げます。
この時にリングをセットした丸いパーツが時計回りに回転して次の文字を彫る位置へ移動します。
すぐにレバーを下げずにそのままレバーが上がりきった状態でキープします。
レバーが上がりきった状態だと、一番初めに説明した文字の位置を固定している三角ピンが奥へ移動している状態です。
そうすると、文字盤を回せる状態になります。
文字盤が動かせるようになっている間に、文字盤を回して次の文字・今回は「I」にあわせます。
レバーを下げると三角のピンが文字盤の溝に入って固定されます。
これで次の文字を彫る準備完了です。
この作業を繰り返して文字を彫っていきます。
目はリングを確認しているので、実際に文字彫りをする時は手元は見ることはほとんど無いです。
左右の手の力の入れ具合に集中して作業をします。
慣れるまでは左右の手の力の入れ方が混乱してしまい深く彫りすぎてしまったり、文字盤から先端が外れてしまったりします。
手作り結婚指輪や婚約指輪では、ご希望に応じて文字彫り機を使用しています。
実際のリングには職人がお入れしますが、ご希望であればシルバーのリングで体験もしていただけますのでお声かけ下さい。
なかなか文章で工程を説明をするのは難しいですね。
手作り結婚指輪をお選びして頂く際にも文字彫り機の紹介していますので、実際の動きを確認してもらえるとうれしいです。
こちらの文字彫り機を使用した機械彫りを選んでいただいた場合でも、当日のお持ち帰りは可能です。
指輪の加工には他にもたくさん普段目にする事が無い道具がたくさんありますので今後も紹介したい思います。
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。MITUBACIの機械大好き職人の新藤でした。