11月の誕生石はシトリン
今回はシトリンについてお話したいと思います。
シトリンはトパーズと同じ11月の誕生石になります。
和名は黄水晶(きすいしょう)、モース硬度は7、壁かい性が無く、発色の良さと耐久性がある為、比較的に普段宝石を触らない人でも手に取りやすい鉱石になります。
よく採掘される色味は黄色~褐色味の黄色、オレンジ、褐色味のオレンジになりアースカラーが人気の宝石になります。シトリンで最も人気のある色合いは素朴で深い、褐色や赤みがかったオレンジです。
シトリンは色の濃淡の幅が広く、同じ黄色でも色の濃いものから淡いものまで様々です。どの色も魅力的ではありますがグレーや黒味を帯びない純色が基本的に高値で取引されています。
シトリンは黄色の最も代表的な宝石だと言っても過言ではありません。
またシトリンは結婚13周年を記念する宝石とされていて、日本では5周年とも11周年とも言われています。
結婚記念日にシトリンのジュエリーを用意するのもすてきです。
シトリンの名前の由来
シトリンの名前の由来はフランス語で果実のレモンを意味する「citron(シトロン)」に由来します。
宝石学が発展していない時代では透明感のあるイエローカラーはトパーズと良く似ていて、しばしば間違って混同していたこともあるそうです。
色味によって流通名が違い、濃い褐色味のオレンジはスペインのマデイラワインに色味が似ている事から「マデイラシトリン」、鮮やかなオレンジに近い色合いは果物のみかんや柑橘を意味する「タンジェリンシトリン」と呼ばれています。
鉱物としてのシトリンとその仲間
シトリンの石についてもう少し詳しく触れて行きたいと思います。
シトリンは商品名であり鉱物名は「クォーツ(石英)」になります。
クォーツは二酸化ケイ素からなる同一の化学組成と類似した特徴をもつ鉱物の総称になります。地球を構成する地殻の中でも最もポピュラーな鉱物であるため、世界各地で採掘されます。そのため地域によって含まれる成分に違いが生まれます。
クォーツは中に含まれる成分によって色味を変え、色それぞれに別の商品名がついて流通しています。
無色透明は「ロッククリスタル」、紫は「アメシスト(アメジスト)」、ピンクは「ローズクォーツ」、淡褐色ないし暗褐色は「スモーキークォーツ」、そして黄色は「シトリン」として市場に出回っています。クォーツは透明度が高くてかつ発色が良い宝石の中でも流通量が多いため手に取りやすく、並べて色の違いを見比べるのも魅力的です。
クォーツの中でも特殊な位置に分類されるのが「アメシスト」と「シトリン」になります。アメシストとシトリンはその実同じ成分からなる鉱石なのですが、シトリンの発生条件が特殊で、地中で結晶化したアメシストが更にマグマで加熱されて黄色く変色したものがシトリンになります。
1883年にブラジルでアメシストを人工的に加熱しても同様の変化が見られる事が確認されており、おおよそ420~450度で脱色し、その後に黄色あるいは黄褐色のシトリン(黄水晶)の色調を呈するようになると言われています。
産地やアメシストの色味によっても変色の幅があり、ブラジル産、ウルグアイ産、メキシコ産、ザンビア産のアメシストをそれぞれ加熱した場合、メキシコ産は脱色後に黄色の変色が無くザンビア産は紫から変色が見られなかったという報告もあります。
これは産地によって含まれる成分の違いによって差が生じていると思われます。
変色した後は元の色に戻らないため注意が必要です。
その為アメシストを留めた指輪のサイズ変更をする際は石を加熱しない様に気を付けて加工します。
また、上記の変色反応によって生まれた石を加工してうまれた宝石で「アメトリン」という宝石が存在します。
「パーティーカラー・クォーツ」とも呼ばれアメシストの紫とシトリンの黄色の2色がひとつの宝石の中に現れているのが特徴的です。何らかの条件で一部分のみ加熱されたアメシストがその場所だけシトリンに変色する事でうまれる特殊な鉱石になります。
主にボリビアで採掘されていて、ひとつの宝石で2色の色味を楽しむ事ができるため、他のクォーツにはない魅力が詰まっています。
シトリンは素朴な色合いやその手に取りやすさから幅広い層に長く愛されている石になります。
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